2020年1月16日、日本で最初の新型コロナウイルス感染症患者が確認されました。
そして4月7日、緊急事態宣言が国より発令されました。
日本中のライブハウスで鳴っている音が、完全に消えました。
ライブハウスだけではありません。クラブも、カラオケも──人間が原始の時代から感情を表現したり、意思疎通を図るために出していた「歌」や「発声」がはばかられる状況になってしまいました。
思い出してください。
初めて行ったライブハウスで、自分の好きなバンドが演奏を始めたときに、唇から漏れた小さな声。
仲のいい相棒と行ったライブで、一緒に肩を組みながらモッシュピットに突撃していったこと。
熱気が立ち込めたライブハウスで、貪るように飲んだキンキンに冷えたジュース。
最高のライブパフォーマンスに呼応する、オーディエンスの大歓声。
すべて、失われてしまいました。
また、ライブハウスはもとより、ライブ・エンタテインメントに従事するスタッフ、音響、照明、誰よりもアーティストが、その力を発揮することなく、1年余りを過ごしました。
日本全国、いや、世界中のライブベニューが閉鎖、閉店を余儀なくされています。
誰もが、マスクをして歩くようになりました。
口元が隠され、表情が伝わりにくくなりました。
「大丈夫だよ」そう言って笑ったような彼の口元は、そっと唇を噛んでいるかも知れません。
再びライブ・エンタテインメントを心から楽しめるその日まで。
失われた音楽空間をこの手に取り戻す、その時まで。
THE SHOW MUST GO-ON。
今も、それぞれの心の中で、ショーは続いています。
もちろん、苦しい思いをしているのは私たちだけではありません。
ライブハウスRUIDOが主導するライブ・エンタテインメント支援プロジェクト、THE SHOW MUST GO-ONに賛同してメッセージを寄せてくださったアーティストの言葉を胸に、これからの未来を自分たちの「できること」で良くしていきましょう。
マスクを外して、好きな曲を身体全体で楽しめる、その日まで。
THE SHOW MUST GO-ON 実行委員会